(1579〜1643)江戸幕府3代将軍・徳川家光の乳母。「ふく」「おふく」ともいう。「春日局」とは朝廷から賜った称号。父は明智光秀の重臣斎藤利三で,本能寺の変の後,稲葉重通の養女となり,縁者である稲葉正成に嫁いだ。のちに正成と離別,徳川幕府の大奥に仕え,1604年に家光の乳母となる。高い教養と並外れた政治力を備え,家光の将軍就任後は,「将軍様御局」として大奥の公務を取り仕切った。老中を上回る権力を持っていたという。小説,マンガ,テレビドラマにもたびたび取り上げられ,1989年のNHK大河ドラマ『春日局』放映後は,知名度がいっそう高まった。