県名の由来:神奈川の地名が記された最初の文書は北条時宗の命令書とされる。江戸時代には東海道神奈川宿があってさかえていた。この地名を県名とした。
県庁所在地
県の面積
県の人口
県の代表的な伝統工芸品と祭り
〔伝統工芸品〕
○鎌倉彫 ○箱根寄木細工 ○小田原漆器
〔祭り〕
○おんべ焼(三浦市ほか,正月明けの日曜日など)
位置・地形・気候
神奈川県は,関東地方の南西部にあり,東は東京湾,南は相模湾に面している。
北西部から南西部にかけて丹沢山地や箱根の山々がつらなり,その東に相模原の台地が広がって,多摩丘陵へとつづいている。丹沢山地から流れ出た相模川は県の中央部を,酒匂川は県の西部を南下して,相模湾に注ぐ。南東部には三浦半島がつきでている。三浦半島はいりくんだ複雑な海岸線をつくっているが,相模湾北岸はなだらかな砂浜海岸である。
気候は,夏に降水量が多く,冬に晴天がつづく太平洋側の気候で,温暖である。
歴史
昔の武蔵国の一部と相模国にあたる。平安時代末期には多くの荘園があり,梶原氏・三浦氏・和田氏など武士の一族がおこった。
鎌倉時代には,幕府の所在地として武家政治の中心地となり,室町時代の後期には,北条氏が小田原城を中心にして関東を支配した。
江戸時代には,小田原藩といくつもの小藩・旗本領・幕府直轄地に分かれていたが,関所が箱根に,番所が浦賀にもうけられ,江戸防衛の役割をもたされた。
明治になって,小田原県・足柄県など4県ができ,その後,何度も合併や分離をくりかえして1893(明治26)年に現在の領域が定まった。
産業
農業の地位は低いが,県内各地で野菜や果物が栽培されている。とくに三浦半島では,キャベツ・ダイコンなどの生産が多く,神奈川県のキャベツの生産量は全国5位である(2010年)。また,小田原市や足柄地方ではミカン,東部の多摩川沿岸ではナシの栽培がさかんである。
水産業では,三浦半島の三崎港がカツオ・マグロなどの遠洋漁業の基地として知られている。
工業はたいへんさかんで,工業生産額は,愛知県についで全国4位である(2009年)。川崎市から横浜市にかけての臨海部は,京浜工業地帯の一角をなし,石油化学・鉄鋼・自動車などの重化学工業がさかんである。一方,内陸部の相模原市・厚木市・平塚市などには,大規模な工業団地が形成され,電気機器や自動車部品などの工場が多く立地している。
伝統工業では,箱根細工などの小田原市の木工業や,鎌倉市の鎌倉彫などが有名である。
国際貿易都市横浜市
横浜港は,1859年の開港以来,世界への窓口として重要な役めをはたしてきた。京浜工業地帯の発展とともに,港はどんどん大きくなり,日本を代表する貿易港となっていった。
また,横浜港が開港されたとき小さな漁村だった横浜は,港とともに発展し,いまでは人口約363万人,東京23区についで日本第2の大都市となっている。
現在,横浜港は日本一の海上貿易港であり,その取り引き相手国は150か国以上,1年間に入港する船の数は1万せきをこえている。近年の海上輸送はコンテナによる輸送が中心になっており,横浜港最大の本牧埠頭や大黒埠頭には多くのコンテナバースがつくられている。また,建設中の南本牧埠頭もコンテナ埠頭となる。
横浜市では,最大の繁華街である桜木町と横浜駅の間の埋め立て地に「みなとみらい21」という新しいまちづくりを進めている。すでに,地上70階建ての日本一の高層ビル「横浜ランドマークタワー」をはじめ,美術館などの文化施設や,国際会議場などが完成し,横浜市はさらに大きく発展しようとしている。