北アメリカ州の北端にある,世界第2位の面積をもつ国。政治体制は立憲君主制で,元首はイギリス国王。首都:オタワ,面積:998.5万km2(2015年),人口:3662万(2017年),言語:英語,フランス語(ともに公用語)など,宗教:キリスト教(カトリック,プロテスタント)など,民族:ヨーロッパ系(イギリス人,フランス人など),アジア系,先住民など。
自然のようす
国土はラブラドル高原が広がる東部台地,低地が広がり氷河湖の多い中央低地,ロッキー山脈など高い山脈が南北に走る西部山地の3つの地域に分けられる。大部分は冷帯(亜寒帯)に属し,針葉樹林(タイガ)が広がる。北部の北極海沿岸と周辺の島々は寒帯に属し寒さがきびしいが,太平洋岸は温帯に属し比較的温暖な気候。
あゆみ
16世紀前半からヨーロッパ人の進出が始まり,17〜18世紀には,フランスとイギリスが植民地をめぐって争った。1763年にイギリスの植民地となり,1867年にカナダ連邦が発足,イギリス連邦の自治領となった。第一次世界大戦後に外交権を獲得し,1931(昭和6)年に実質的に独立した。
産業のようす
資源にめぐまれ,農林水産業と鉱工業が発達している。中央低地の南部は春小麦の大産地で,セントローレンス川ぞいは酪農と近郊農業がさかん。針葉樹林が国土の約30%をおおい,東岸と西岸は世界的な好漁場である。鉱産資源は,石炭・石油・天然ガス・鉄鉱石・ニッケル・亜鉛などが豊富で,輸出も多い。工業は,自動車・金属・紙・パルプなどの業種が五大湖周辺を中心に発達している。近年は先端技術産業が発達している。貿易相手国はアメリカ合衆国が最大で,アメリカ合衆国,メキシコとは貿易の自由化を目指して北米自由貿易協定(NAFTA)を結んでいる。
社会のようす
フランス系住民が多いケベック州では,1960年代から独立運動が高まり,大きな問題になっている。
日本との貿易
カナダから日本への輸出:ナタネ,木材,石炭など。
カナダの日本からの輸入:乗用車,自動車部品など。(2015年)
国名の由来
先住民(イロコイ族)のkanata(小屋の集落)に由来。
国旗の由来
中央白地にカナダのシンボルであるカエデを,両端に太平洋,大西洋を表す帯を,同じ赤で配している。