かにこうせん【蟹工船】 小林多喜二(こばやしたきじ)の中編小説(ちゅうへんしょうせつ)。1929(昭和4)年発表。カニ工船(北の海に出漁(しゅつりょう)し,カニをとり加工(かこう)する漁船(ぎょせん))の中ではたらく労働(ろうどう)者が,監督(かんとく)の酷使(こくし)に対抗(たいこう)していっせいに立ち上がる物語。労働(ろうどう)者の意識(いしき)やたたかうすがたをえがこうとするプロレタリア文学の最高(さいこう)の作品として高く評価(ひょうか)され,演劇(えんげき)に脚色(きゃくしょく)されて上演(じょうえん)されたこともある。