(1899〜1972)大正・昭和時代の小説家。大阪に生まれる。小さいとき両親をなくし,母親の実家で育てられた。大学在学中に同人誌を出して菊池寛にみとめられ,1924(大正13)年,横光利一らと雑誌『文芸時代』を出し,新感覚派とよばれる新しい文学運動をおこした。日本的な叙情の美しさを,非情なまでに繊細な感覚でえがき,文芸批評にもすぐれていた。代表作に『伊豆の踊子』『雪国』『山の音』『千羽鶴』などがある。◇1961年に文化勲章,1968(昭和43)年にノーベル文学賞を受賞した。1972年,自ら命を絶った。