皮膚・消化器・呼吸器・泌尿器・生殖器など上皮組織より発生する悪性しゅよう。統計上は悪性新生物という。体細胞が変化してできた不規則な形のがん細胞が,体内で無秩序に増殖し,他の健康な組織に侵入して,これを破壊する病気である。広い意味では,結合組織・筋肉・骨など非上皮組織にできる悪性しゅよう,つまり肉しゅをふくめてがんという。
日本人のがん死亡率の変化
日本でのがん死亡率は,欧米の先進国にくらべて,胃がんが多く,肺(気管・気管支をふくむ)がんや,大腸がんは少ないのが特徴であった。それが,生活様式の変化につれて,近年は胃がんがへり,肺がんや大腸がんが増加する傾向にあり,1993年の調査では,男子は肺がんが胃がんをぬいて1位となり,女子もその差が縮小している。