位置とあゆみ
関東地方は日本最大の関東平野と伊豆・小笠原諸島からなり,東京都と神奈川・埼玉・千葉・群馬・栃木・茨城の6県に区分される。関東地方の開発は西日本におくれ,鎌倉時代以降といえる。江戸幕府が開かれてからは,江戸を中心とする街道が整備され,発展するようになった。沼地の干拓,利根川など河川の改修,台地の開発によって多くの新田が開かれて,本格的な開発が進んだ。明治維新後,江戸は東京とあらためられ,日本の首都となった。
コーチ
以来,関東地方は東京と横浜を核として発展し,日本の政治・経済・文化の中心となっている。
自然のようす
(1)地形…越後山脈・関東山地などの山地にかこまれて,日本最大の関東平野が広がる。その中央を利根川が東に流れ,太平洋にそそぐ。利根川の流域面積は日本最大。下流域には低湿な水郷地帯が開けるが,平野の大部分は,武蔵野・下総などの関東ロームといわれる赤土が堆積した火山灰台地である。
(2)気候…太平洋岸式気候で,冬は冷たいからっ風がふき,晴天がつづく。
産業のようす
(1)農業…関東平野では近郊農業が発達している。埼玉・千葉・茨城の3県では,京浜地区などに出荷する野菜の栽培や家畜の飼育がさかんである。近年は農村の都市化が進み,近郊農業地域は周辺へと移動している。米作は,水郷地帯や川ぞいの低地で行われている。
(2)工業…東京から川崎市・横浜市にかけての臨海部は,鉄鋼・造船・機械などの工場がならぶ,京浜工業地帯の中心部である。さらに,東京湾東岸には鉄鋼・石油化学工業を中心とする京葉工業地域が,京浜工業地帯につながっている。北関東や相模原市などの内陸部では,水田や畑が工業用地に転用され,工業団地がつくられている。鹿島臨海工業地域には石油化学コンビナートがある。
首都東京
東京の都心には国会議事堂,最高裁判所,各省庁,日本銀行や大企業の本社などが集まっている。さらに,ニューヨーク,ロンドンとならぶ世界金融の中心として,外国企業の進出も多い。こうした諸機関の集中をさけるため副都心が建設され,ウォーターフロント(臨海部)の再開発が進められている。