*きのつらゆき【紀貫之】 (?〜945?)平安時代中期の歌人。三十六歌仙(さんじゅうろっかせん)の1人。905年に醍醐天皇(だいごてんのう)の命を受け,撰者(せんじゃ)の筆頭として,『古今和歌集(こきんわかしゅう)』を編(へん)さんした。貫之(つらゆき)の歌は101首おさめられており,優美(ゆうび)で理知的(りちてき)なうたいぶりは,古今調を代表する。また,仮名(かな)で書いた『古今和歌集(こきんわかしゅう)』の序文(じょぶん)は,わが国最初(さいしょ)の歌論(かろん)として有名。930年,土佐守(とさのかみ)(今の高知(こうち)県をおさめた国守)に任(にん)じられたが,任務(にんむ)を終えて帰京するまでの旅のようすを仮名(かな)書きの『土佐日記(とさにっき)』にまとめた。家集(いえのしゅう)に『貫之集(つらゆきしゅう)』がある。◇「人はいさ心もしらずふるさとは花ぞ昔の香(か)ににほひ(おい)ける」