きびのまきび【吉備真備】 (693〜775)奈良(なら)時代の学者・政治(せいじ)家。吉備(きび)地方(岡山(おかやま)県)の豪族(ごうぞく)の出身。遣唐使(けんとうし)にしたがって中国にわたり,学問や法律(ほうりつ)・礼儀(れいぎ)・軍事(ぐんじ)などを学んで帰国。聖武天皇(しょうむてんのう)に重んじられ,僧玄(そうげんぼう)とともに活躍(かつやく)した。しかし,政治(せいじ)上の争(あらそ)いにまきこまれて地方官(かん)の地位(ちい)に下げられ,その間の753年には遣唐副使(けんとうふくし)に任(にん)じられた。のち中央にもどされ,称徳天皇(しょうとくてんのう)に用いられて道鏡(どうきょう)とともに異例(いれい)の昇進(しょうしん)をとげ,右大臣(うだいじん)までのぼった。