ぎふちょうちん【岐阜提灯】 美濃(みの)地方(岐阜(ぎふ)県南部)の伝統的(でんとうてき)な提灯(ちょうちん)。美濃(みの)地方は古代から和紙の産地(さんち)として知られ,この地方の主要(しゅよう)な産物(さんぶつ)の1つだった。伝統(でんとう)の和紙づくりの技術(ぎじゅつ)は,古代から中世,近世へと受けつがれ,上質(じょうしつ)の紙は岐阜提灯(ぎふちょうちん)や和傘(わがさ)の発達(はったつ)にも影響(えいきょう)をあたえた。岐阜提灯(ぎふちょうちん)は17世紀(せいき)から始まるといわれ,18世紀末(せいきまつ)には全国に知られるようになり,明治(めいじ)20年代(1887〜1896年)に現在(げんざい)見る製造法(せいぞうほう)や形式が整った。薄(うす)い紙,細いひごを用い,美しい絵がえがかれているのが大きな特徴(とくちょう)である。現在(げんざい),岐阜提灯(ぎふちょうちん)は経済産業省伝統的工芸(けいざいさんぎょうしょうでんとうてきこうげい)品に指定されている。