府名の由来
8世紀末に平安京がおかれて以来,明治になって東京への遷都が行われるまで,1000年以上もの間,都がおかれ,京の都とよばれてきたことに由来する。
府庁所在地
府の面積
府の人口
府の代表的な伝統工芸品と祭り
〔伝統工芸品〕
○西陣織 ○京友禅 ○京くみひも ○京焼 ○清水焼 ○京仏壇 ○京扇子
〔祭り〕
○祇園祭(京都市,7月15〜17日(1〜31日)) ○葵祭(京都市,5月15日)
位置・地形・気候
京都府は,近畿地方の北部にあり,北西部は日本海に面している。
南北に細長い京都府は,その大半をしめる中央部の丹波高地と,丹後半島のある北西部,京都盆地を中心とした南東部に分けることができる。
北西部の若狭湾に面した海岸はリアス海岸で,日本三景の1つ天橋立など景勝地が多い。中央部の丹波高地の山あいには,由良川や保津川にそって,福知山盆地や亀岡盆地などのせまい盆地が開けている。丹波高地から流れ出した宇治川・木津川・桂川(保津川)などは,京都盆地を流れ,合流して淀川となり,大阪湾に注ぐ。また,由良川は丹波高地から北に流れ出て日本海に注ぐ。
気候は,北部と南部で大きくちがい,亀岡盆地より北は日本海側の気候で,冬に雪が多い。一方,京都盆地は内陸性の気候で,夏はたいへん暑く,冬は底冷えがきびしい。
歴史
昔の山城国,丹波国の東部,丹後国にあたる。794年に,平安京がおかれてから,明治になるまで,京都は日本の政治や文化の中心としてさかえた。
江戸時代には,山城には皇室領,幕府領と淀藩,丹波には福知山藩など5藩,丹後には宮津藩など3藩がおかれた。
明治になって,これらが統合され京都府となった。現在も,多くの伝統的な文化遺産が数多くのこされており,歴史と観光の都市として発展している。
産業
全体に山がちで,耕地率は約7%(2010年)しかない。その大部分は水田となっているが,米の生産量は少ない。京都市の近郊では,古くから市内向けに野菜生産が行われ,聖護院ダイコン・賀茂ナスなど,京の伝統野菜の生産が多い。また,宇治茶の名で知られる茶の生産量も全国5位である(2010年)。
京都盆地には,電子・電気機器,通信機器などの先端産業をふくむ工業地域が形成されている。京都市南部から長岡京市,宇治市にかけては,電気機械や食料品工業がある。
京都市を中心として,西陣織・京友禅・京仏壇・清水焼・京人形などの伝統産業もさかんで,大きな地位をしめる。また,京都市伏見の酒づくりも,古くから名高い。
国際観光都市京都
1000年以上日本の都だった京都には,京都御所など,歴史的建造物や史跡が数多い。それらは古都保存法によって歴史的風土保存地区に指定されており,清水寺・仁和寺・平等院・金閣・銀閣・二条城など,17の建物は「古都京都の文化財」として,世界文化遺産にも登録されている。
間口がせまくて奥行きが長いという特徴をもった町屋が,規則正しく黒がわらの屋根をつらねてならぶ,美しい町並みものこされている。また,葵祭・祇園祭・時代祭・大文字五山の送り火など,有名な年中行事があり,嵐山をはじめ自然の風景も美しい。
これらをめあてに京都をおとずれる観光客の数は,年に約5000万人。外国からの観光客もたいへん多く,京都は日本を代表する国際観光都市となっている。
しかし,京都は単なる古都ではなく,138万人(2011年)もの人々がくらす大都市であり,広い道路や高層ビルやマンションなどの建設をおしとどめることはむずかしい。歴史的都市にふさわしい調和のとれた保存と開発は大きな課題である。