利益を得る目的で,魚・貝・海藻などの水産生物をとったり,育てたりする産業。
漁業の分類
日本人のタンパク食糧の半分近くを供給する重要産業である。漁場によって,沿岸漁業・沖合い漁業・遠洋漁業・河川漁業などに分けられる。ほかに,漁法や漁具によって多くの種類に分類される。
漁業のようす
第二次世界大戦後,日本の漁業は漁船の近代化・大型化を進め,漁場を世界の海域に広げてきた。しかし,近年は漁業水域(または経済水域)200海里を宣言する国がふえて遠洋漁場からしめ出されており,1973(昭和48)年の石油ショックの影響もあって,遠洋漁業による漁獲量はいちじるしく減少した。一方,沖合い漁業は漁獲技術の向上などにより漁場を広げ,漁獲量がふえたが,近年はへってきている。沿岸漁業は,栽培漁業の育成に力が注がれている。遠洋漁業の漁獲量の減少はあるものの,日本の漁獲量は世界のトップクラスの地位をしめている。しかし,日本は金額でも数量でも,世界一の水産物の輸入国である。
コーチ
これからの日本の漁業の課題は,とる漁業から育てる漁業へかえていくことである。そのため,海の環境をととのえたり,ロボットなどの海中施設をつくる必要がある。