太陽に近いほうから数えて2番目の惑星。全天で最も明るく,よいの明星,明けの明星として親しまれている。太陽からの平均距離は約1億820万km,公転周期は0.6152年(約225日),赤道半径は6052km,質量は地球の0.815倍で,地球よりやや小さい。自転周期は約243日で,公転とは逆向き(東から西)に自転している。
金星の表面
金星の表面は厚い大気におおわれており,表面気圧は約90気圧にもなる。大気の大部分は二酸化炭素で,ほかに窒素などがある。水は大気中の水蒸気としてごくわずか存在するにすぎない。金星の表面温度は二酸化炭素による温室効果のために約470℃と高い。大気中には濃硫酸の粒子からなる雲があり,太陽光をよく反射している。このため,金星本体を見ることはできない。◇近年,電波観測や探査機(旧ソ連のベネラ,アメリカ合衆国のマゼランなど)での観測によって,金星のくわしい地形が明らかになり,金星の内部構造は地球と似ていることがわかってきた。
金星の見え方
金星は地球の内側を公転する内惑星であるため,日没後の西の空(よいの明星)か,日の出前の東の空(明けの明星)にのみ見え,真夜中には見えない。金星が太陽と地球の間にある内合のときは,太陽と同じ方向にあるため見えない。内合の前後には大きな三日月形に見え,内合の前後36日ごろに最大光度になる。内合の前後72日ごろに太陽から最もはなれる最大離角になり,太陽から46〜48度はなれる。太陽に対して地球と反対側にある外合のときは見えないが,その前後では小さなまるい形に見える。
コーチ
金星は月のように満ち欠けをし,見かけの大きさや明るさも変化する。