(1953〜2009)昭和・平成時代の小説家・評論家。評論家としてのペンネームは中島梓。東京都に生まれる。大学卒業後まもなく評論活動をはじめ,1977(昭和52)年,「文学の輪郭」で評論新人賞,翌78年,小説「ぼくらの時代」で江戸川乱歩賞を受賞し,文壇にデビュー。SF・ファンタジー小説,時代・伝奇小説,推理小説,耽美小説などはば広い分野で活躍し,79年から刊行が開始された『グイン・サーガ』シリーズは正伝外伝をあわせると150巻におよぶ長編小説である。また,ミュージカルの演出や音楽活動,テレビ出演などを意欲的にこなす一方,伝統芸能にも造詣が深く,歌舞伎脚本の執筆も行うなど多才ぶりを発揮した。著書は400冊以上,小説のほかの代表作としては『魔界水滸伝』,「伊集院大介」シリーズなどがある。2009(平成21)年5月,がんにより56歳で没した。