県名の由来
昔は,群馬を「くるま」と読んだので,豪族の車持の君に由来するともいわれるが,はっきりしない。県庁が古くからの群馬郡におかれたことから県名となった。
県庁所在地
県の面積
県の人口
県の代表的な伝統工芸品と祭り
〔伝統工芸品〕
○伊勢崎かすり ○桐生織
〔祭り〕
○だるま市(高崎市,1月6〜7日)
位置・地形・気候
群馬県は,関東地方の北西部に位置する内陸県である。北部に越後山脈,西部から南西部にかけて浅間山・妙義山・関東山地の山々,東部に足尾山地があって,三方を山々でかこまれている。越後山脈から流れ出た利根川は,吾妻川・片品川など,いくつもの水を集めながら中央部を南に流れ,関東平野へ出たあたりで東に向きを変えて,埼玉県との境をつくっている。
気候は,夏と冬の気温の差が大きく,あまり雨のふらない内陸型の気候である。冬は,「上州のからっ風」といわれる,北西の強い季節風がふき,夏は雷が多く発生する。
歴史
岩宿遺跡をはじめ,古い時代の遺跡や貝塚があり,早くから人々が生活していたことがわかる。
昔は上野国といった。鎌倉時代には新田氏が支配し,室町時代には上杉氏が守護としておさめた。戦国時代には長尾氏・武田氏などが進出して争った。
江戸時代には,いくつもの小藩や旗本領,直轄地に分けられ,大名の移動もはげしかったが,利根川水運の終点,中山道など主要な街道が交差する要地となって,養蚕・製糸・織物業が発達した。
明治の廃藩置県で群馬県となったが,その後東部の地域を栃木県に分けて熊谷県となり,1876(明治9)年に,ふたたびその地域を統合して,現在の群馬県が成立した。
産業
山地が多いので,耕地はおもに山のすそ野や扇状地などにつくられ,畑が約63%をしめている。農業生産額の約37%は野菜で,全国1位〜2位のキュウリ・コンニャクイモ・キャベツをはじめ,ホウレンソウ・ナス・ネギ・ブロッコリーなどの生産量が多い(2010年)。山間部では養蚕が行われる。畜産もさかんで,乳牛,ブタの飼育頭数は全国5位である(2011年)。
工業は,高崎市や前橋市で電気機器・化学・食料品工業,太田市・伊勢崎市などで自動車工業が発達している。大泉町や尾島町(太田市)では電気・電子機器の工業が中心となっている。また,桐生市・館林市・伊勢崎市などでは,絹織物を中心とする伝統的な繊維工業がさかんである。
高原キャベツの村嬬恋村
群馬県は,長野県とならび,夏のすずしい気候を利用した高原野菜の栽培がさかんな県である。キャベツ・レタス・ハクサイなどが栽培される。中心はキャベツで,平地ではつくられない夏の間,群馬県産の高原キャベツは,首都圏など各地の市場を独占する。
なかでも,浅間山のふもと,吾妻川上流の長野県との県境に近いところにある嬬恋村は,一面にキャベツ畑が広がる,高原キャベツの村である。
嬬恋村は,標高800〜1200m,6月から9月にかけての平均気温は15〜20℃で,第二次世界大戦後,キャベツ生産を大きくのばし,1963(昭和38)年に国の「産地指定」を受けて,日本一のキャベツ産地となった。夏に雨が多いことも,おいしいキャベツができる条件となっている。
嬬恋村のキャベツづくりの特徴は,広い畑で大型機械を使って大規模に生産していることである。また,土地の低いところから高いところに順に苗の植えつけをして,収穫の時期をずらしている。こうして,キャベツの出荷は7月から10月までつづく。