発射され,自国の領土に飛来する,とくに長距離弾道ミサイルやその付属の落下物を,着弾・爆発,被害をこうむる前に迎え撃ち,破壊するためのミサイル。飛来するミサイルを迎撃する全体のしくみを弾道ミサイル防衛システム(BMD)とよび,日本では1999(平成11)年にアメリカとの共同研究開発を開始,2003年にBMD導入を決定,2005年にミサイル迎撃手続きのために自衛隊法を改正し,各地に実戦配備が進められた。ミサイル発射と同時に人工衛星によって探知,人工衛星・レーダーによって情報を収集,飛行の軌跡を探知・予測し,海上に配備されたイージス艦に搭載されたミサイル,地上に配備された地対空ミサイルによって迎撃するしくみになっている。2012(平成24)年4月,北朝鮮が人工衛星の打ち上げという名目で長距離弾道ミサイルの発射を予告したため,日本の自衛隊は万が一の落下に備えて東シナ海にイージス艦を展開させ,沖縄県先島諸島に地対空ミサイルPAC3(パトリオット)を配備した。北朝鮮のミサイル発射は失敗に終わったため実際に使用されることはなかった。⇒ミサイル