日本の原子力の研究・開発・利用についての安全規制をになう,独立性をたもつ委員会。環境省の外局。2012(平成24)年10月,経済産業省の所管する原子力安全・保安院,内閣府の原子力安全委員会,文部科学省の放射線モニタリング部門を廃止・統合するかたちで発足。公正取引委員会と同様に独立性を担保した国家行政法の定める「3条委員会」である。国会同意人事を必要とする委員長と委員の5名で構成され,事務局として460人体制の原子力規制庁をもつ。日本国内の原子力発電所の安全性を確認する役割をもち,優先課題としては福島第1原子力発電所の廃炉作業の安全な進行と原子力施設の防災体制の確立がある。今後の新しい安全基準や事故が起きた場合の防災指針をつくることが当面の仕事となる。現在停止中の原発については委員会が現時点での安全確認は行うが,再稼働の是非についての判断は委員会が行うのか行政側にまかされるのか,まだはっきりしていない。