光がつたわる速度。光速ともいう。真空中の光速度c は,c = 2.99792458×108m/sと定義されている。これは光だけでなく,γ線・X線・紫外線・赤外線をはじめすべての電磁波が真空中をつたわる速度で,物理学における最も基本的な定数の1つである。アインシュタインの相対性理論は,真空中をつたわる光速度がすべての観測者に対してかわらないということをもとにされている。◇光が有限の速度をもつことはギリシャの昔から予想されていた。
コーチ
物質中の光速度は,真空中の光速度
c よりかならず小さい。
光速度の測定
実際にはかられたのは1675年で,レーマーが木星の衛星の食周期の変化を観測し,c = 2.984×108m/sを得た。1727年には,ブラッドリーが地球の公転による星の位置のずれを利用して,c = 2.982×108m/sを得た。地上ではじめて光速度をはかったのはフィゾーで,1849年にc = 3.13×108m/sを得た。精密な測定は1924年マイケルソンが八角柱の回転鏡を高速回転させることによって,c = 2.99796×108m/sの値を得た。⇒フィゾーの光速度測定法 ⇒フーコーの光速度測定法