質点もしくは物体に2つ以上の力がはたらいているとき,それらの力とまったく同じ効果の1つの力でおきかえたとき,その1つの力を元の力の合力という。合力をもとめることを,力の合成という。⇒力
一直線上にある2力の合成
1点Pにはたらく2力F1,F2が同じ作用線上にあるとき,合力Fはつぎのようになる。
(1)F1とF2が同じ向きのとき,合力の大きさはF = F1+ F2,力の向きはF1,F2と同じ向きである。
(2)F1とF2が逆むきのとき,合力の大きさはF = F1– F2,力の向きはF1とF2のうちで,力の大きさの大きいほうと一致する。
一直線上にない2力の合成
2力の合力は,2力を表す力の矢印を2辺とする平行四辺形の対角線であたえられる。このように,2つの量を合成するとき,合成された量が平行四辺形の対角線でもとめられることを「平行四辺形の法則」という。また,F1の力の矢印の先端Aから,F2に平行で長さが等しくなるようにACをとり,OCをむすべば,矢印OCが合力となる。2力F1とF2の力の大きさが一定であっても,2力のなす角(∠AOB)がかわると,合力の大きさもかわる。2力のなす角が小さくなるほど合力の大きさは大きくなり,2力のなす角が0°のとき,合力は最大となる。また,2力のなす角が大きくなるほど合力の大きさは小さくなり,2力のなす角が180°のとき,合力は最小となる。
3力以上の力の合成
1点Pにはたらく3力F1,F2,F3の合力をもとめるには,まず,F1とF2の合力F′をもとめ,つぎに平行四辺形の法則をつかってF′とF3との合力Fをもとめればよい。1点にはたらく4力以上の合力をもとめるときも,同様にしてもとめることができる。