こと【琴・箏】 中国・朝鮮(ちょうせん)・日本の弦楽器(げんがっき)。細長い胴(どう)面に水平に弦(げん)をはり,これをはじいて鳴らす楽器(がっき)。わが国ではふつう俗箏(ぞくそう)(箏曲(そうきょく)の演奏(えんそう)に用いる楽器(がっき))をさしていうことが多いが,古くは弦楽器(げんがっき)の総称(そうしょう)として用い,「琴(きん)のこと」「箏(そう)のこと」「琵琶(びわ)のこと」「百済琴(くだらごと)」などと称(しょう)して区別(くべつ)した。◇わが国の邦楽(ほうがく)で用いている琴(こと)(正しくは箏)は江戸(えど)時代初期(しょき)に八橋検校(やつはしけんぎょう)が筑紫箏(つくしごと)からつくったもので,雅楽(ががく)に用いる。箏(そう)(楽箏(がくそう)という)と同じく13弦(げん)をはり,右手にはめた爪(つめ)で奏(そう)する。