*さとうはるお【佐藤春夫】 (1892〜1964)大正・昭和時代の小説(しょうせつ)家・詩人。和歌山(わかやま)県に生まれる。詩人として早くから知られていたが,1919(大正8)年,自然(しぜん)の風物と人生の倦怠(けんたい)感を細かい心の動きを通してえがいた『田園の憂鬱(ゆううつ)』を発表して小説(しょうせつ)家としての地位(ちい)を確立(かくりつ)した。のち『都会の憂鬱(ゆううつ)』『指紋(しもん)』『お絹(きぬ)とその兄弟』など,一作ごとに変化(へんか)のある小説(しょうせつ)を書いた。詩人としては『殉情(じゅんじょう)詩集』(「秋刀魚(さんま)の歌」など収載(しゅうさい))や『佐久(さく)の草笛(くさぶえ)』などが有名。1960(昭和35)年に文化勲章(くんしょう)を受章。