アメリカ合衆国で,優良顧客(プライム層)ではない信用度の低い顧客(サブプライム)に貸付が行われた,とくに住宅ローンのこと。アメリカでは1990年代後半から,中古住宅の値上がりを見越して,低所得者など信用度の低い人間に対して,その住宅自体を担保にした住宅購入のローンがさかんに貸し付けられた。ところが,もともとローン返済が難しい人びとにまで強引に貸付が行われた上に,2006年に住宅価格の上昇率が急速に低下,返済の延滞や不払いが拡大し,担保物件の価値の急落もあって,2007年に入るとローン貸付会社の資金繰りは悪化し,経営破綻する例も現れてきた。このサブプライムローンは債務担保証券のかたちで金融商品に組みこまれて,世界中で金融機関や投資家のあいだで売買・取引されていたが,2008年には信用保証が完全に劣化してしまった。これに端を発し,各国の金融機関の債務の拡大,アメリカ本国では大手証券会社の破綻などが生じ,2008年9月には世界的な株価暴落などの金融危機へまで影響を及ぼすことになった。