酸性の強い雨。森林や建造物などに被害をあたえている。
〔酸性雨の原因〕
石油・石炭などの化石
燃料が
燃焼すると,
硫黄酸化物(
二酸化硫黄など)や
窒素酸化物(
一酸化窒素など)が大気中に放出される。これらの大気
汚染物質が大気中の
活性酸素や水と
反応して,
酸性の強い
硫酸や
硝酸などに
変化し,
雨滴にとけて地上に落下すると考えられている。
従来の雨でも大気中の
二酸化炭素がとけているため弱い
酸性を
示すが,これよりも
酸性が強くpH5.6
以下の雨を
酸性雨とよんでいる。◇大気
汚染物質を
大量にとりこんだ
酸性霧の発生も
報告されている。
〔酸性雨の被害〕
酸性雨は,森林や農作物に
直接的に,あるいは
土壌を通じて
間接的に
影響をあたえ,
湖沼や
河川を
酸性化させ,魚
類を
減少させるなど,
生態系に大きな
影響をおよぼす。ヨーロッパでは1960年代から
被害が
顕著になり,北アメリカでは1970年代後半から
被害が出はじめた。日本でも全国で年間
平均pH4.5〜5.0
程度の
酸性雨が
観測され
続けている。