さんとうきょうでん【山東京伝】 (1761〜1816)江戸(えど)時代後期の小説(しょうせつ)家・浮世絵(うきよえ)師(し)。江戸(えど)(今の東京(とうきょう))に生まれた。本名は岩瀬醒(いわせさむる)。通称(つうしょう)は京屋伝蔵(きょうやでんぞう)。はじめ通俗的(つうぞくてき)な絵入りの読み物である黄表紙(きびょうし)のさし絵を書いていたが,のち自分が作家となり,『江戸生艶気樺焼(えどうまれうわきのかばやき)』などを書き,やがて『通言総籬(つうげんそうまがき)』『傾城買四十八手(けいせいかいしじゅうはって)』など,遊里の風俗(ふうぞく)をえがいた洒落本(しゃれぼん)を手がけ,人気作家となった。寛政(かんせい)の改革(かいかく)の洒落本禁止令(しゃれぼんきんしれい)で処罰(しょばつ)を受けると(1791年),今度は複雑(ふくざつ)なあらすじを興味(きょうみ)の中心とした読本(よみほん)の作者に転向し,つねに戯作(げさく)界の第一線で活躍(かつやく)した。