岩手県の,久慈-宮古間(北リアス線),釜石-盛間(南リアス線)の路線をもつ第3セクター鉄道。通称は三鉄。1984(昭和59)年4月,国鉄再建法によって廃止されることになった国鉄久慈線(久慈-普代),宮古線(宮古-田老),盛線(盛-吉浜)を引き継ぎ,建設中だった普代-田老間,吉浜-釜石間を引き受けて,岩手県や地元市の自治体と地元企業が出資する日本初の第3セクター方式で開業した地方鉄道である。赤字経営ながら三陸沿岸を南北に結ぶ貴重な交通手段として健闘してきたが,2011(平成23)年3月の東日本大震災で線路・駅舎ともに甚大な被害をこうむり全線不通におちいった。しかし北リアス線では急速に復旧が進み,その3月のうちに久慈-陸中野田間,宮古-小本間の運転を再開,12年4月には陸中野田-田野畑間を再開している。13年4月,南リアス線盛-吉浜間が復旧・運転再開。残る北リアス線田野畑-小本間,南リアス線吉浜-釜石の復旧,全線再開を14年4月に予定している。