しかのとおね【鹿の遠音】 尺八(しゃくはち)の琴古流古典(きんこりゅうこてん)本曲で,宗教性(しゅうきょうせい)・精神性(せいしんせい)をたいせつにしている本曲の中では最(もっと)も親しまれている。古典(こてん)本曲とは,江戸(えど)時代の普化宗(ふけしゅう)からつたわる曲で,江戸(えど)時代は普化僧(ふけそう)(虚無僧(こむそう))しか演奏(えんそう)できなかった。演奏(えんそう)は,1本の尺八(しゃくはち)で演奏(えんそう)することもあるが,ふつうは2本の尺八(しゃくはち)のかけあいで演奏(えんそう)され,山奥(やまおく)でお鹿(じか)とめ鹿(じか)が鳴きかわす声を表現(ひょうげん)している。