神社で,何年ごとと年度をきって,社殿を新しく建て直して移し,神々にささげる装束や神宝などの調度品もすべて新しくする行事。代表的なものが20年ごとに行われる伊勢神宮の式年遷宮である。ほかの神社では,塩竈神社の20年,住吉大社の30年などが知られる。式年遷宮が行われる理由として,神が新しい清浄な場所を好むためとも,天皇の即位ごとの政庁の遷移を遷宮に託したともいわれるが,正確なことはわかっていない。伊勢神宮の式年遷宮についていうと,7世紀の天武天皇のさだめにより690年に第1回が行われ,2013(平成25)年10月,第62回が行われ,途中戦国時代の約120年の中断があったが,1300年以上にわたり続けられている。式年遷宮行事は,準備期間をいれると8年間かかって行われ,用材伐採の安全祈願の山口祭にはじまり正遷宮・奉幣まで,30におよぶ。内宮・外宮の2つの正宮の正殿,14の別宮の社殿,60をこえる殿舎・鳥居,宇治橋がすべて新しく造りかえられる。内宮・外宮正殿は旧殿舎のとなりに同じ形の新殿舎が建てられ,遷座される。伊勢神宮