じしゅう【時宗】 鎌倉(かまくら)時代中期,一遍(いっぺん)が開いた浄土(じょうど)教の一派(いっぱ)。鎌倉末期(かまくらまっき)から室町初期(むろまちしょき)にかけてさかんであった。この派(は)の僧(そう)は,人間はつねに死ぬときのことを考えて念仏(ねんぶつ)することをすすめ,集団(しゅうだん)で踊(おど)り念仏(ねんぶつ)をとなえながら諸国(しょこく)をめぐり歩いたので,遊行宗(ゆぎょうしゅう)ともよばれる。関東(かんとう)地方中心に武士(ぶし)や庶民(しょみん)に多くの信者(しんじゃ)がいた。神奈川(かながわ)県藤沢(ふじさわ)市の清浄光寺(しょうじょうこうじ)(遊行寺(ゆぎょうじ))を本山とする。◇時宗(じしゅう)の僧(そう)は,武士(ぶし)にともなって戦場(せんじょう)を歩き戦死(せんし)者をとむらった。