化学変化がおこる場合,変化の前後で物質全体の質量はかわらないという法則。質量不変の法則ともいう。たとえば,マグネシウムを空気中でもやすと,灰(酸化マグネシウム)がのこるが,できた灰の質量は,もやす前のマグネシウムの質量に,もえるのに使われた酸素の質量をくわえたものに等しい。つまり(マグネシウムの質量)+(酸素の質量) = (酸化マグネシウムの質量)となる。
用例
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質量保存の
法則は,フランスのラボアジエが1774年に次の
実験から発見したものである。ガラスのレトルトに,空気とスズを
密封して
加熱し,レトルト内の
酸素とスズを化合させ,全体の
質量を
測定した。その
結果,
実験前に
測定した全体の
質量とかわらないことを発見し,スズのかわりに
鉛やリンを用いても同様の
実験を行い,同じ
結果となることを
実証した。
コーチ
大量のエネルギーの出入りがある原子
核反応では,
質量保存の
法則は
成立しない。ふつうの化学
反応では,出入りするエネルギーは,
無視できるほど小さい
値なので,
質量保存の
法則が
成立すると考えてよい。