第二次世界大戦末期に,満州(中国東北部),朝鮮半島北部,樺太・千島列島にいた日本兵と民間人が旧ソ連軍によって捕虜にされ,シベリアやモンゴルの強制収容所に2年から長くは10年近くにわたって抑留され,強制労働に従事させられた事態。1945年8月9日,ソ連軍は満州・朝鮮北部に軍事侵攻を開始,日本のポツダム宣言受諾後の8月26日まで戦闘が続いた。日本兵約65万人,民間人をふくめると一説には200万人近くの日本人が捕虜になりシベリアなどの強制収容所に送られた。厳寒のなか食事も休息も満足に与えられず強制労働をさせられて,30数万人が死亡したといわれている。1947(昭和22)年から日ソ国交回復の1956(昭和31)年にかけて抑留者約47万人の日本帰国が実現した。◇最近になってロシアの公文書館で抑留者約76万人分の名簿が見つかったこともあり,2010(平成22)年6月,「シベリア特措法」が成立,存命中の抑留者に国から特別給付金が支払われることが決まった。