(紀元前5世紀ころ)古代インドで,仏教を始めた人。本名はゴータマ=シッダールタ。釈迦牟尼(シャカ族の聖者)を略してシャカとよび,ブッダ(悟りを開いた人)ともいう。
〔出家〕
ヒマラヤのふもとのシャカ族の国,カピラ国の王子として生まれた。
不自由のない生活を送っていたが,人々の苦しんで生きるすがたを見て
悩み,29
歳のとき
宮殿を出て
修行の道に入った。
〔悟り〕
35
歳のとき,ブッダガヤの
菩提樹の下で
悟りを
得た。かれは,自分の
欲望を
捨て人の幸せのためを考えてこそ,この世の苦しみからのがれられる,と教えた。シャカの
説く教えを
仏教という。サルナートではじめて
説法をしてから,しだいに弟子もふえ,国王や大商人のなかにも
信者ができ,コーサラ国には
祇園精舎とよぶ
僧院もできた。80
歳で,クシナガラ
郊外の
沙羅双樹の木の下で
生涯を終えた。◇シャカの死後,弟子たちの
記憶をもとに,かれの教えをまとめて多くの
経典がつくられた。