旧制の学校における教科の一つで,明治時代から第二次世界大戦中にかけて行われた道徳教育。1872年の学制に基づいて導入された。当初は欧米的な近代思想を教える内容だったが,1880年代に儒教教育を基礎とした忠と孝の精神を育てる内容になり,1890年には教育勅語の主旨にそって,儒教教育と天皇への忠義心・愛国心を育てる内容になった。その後も時代によって内容は変化し,国際協調や基本的人権がとりあげられたこともあるが,第二次世界大戦中は皇国民(天皇の国民)となることを重視され,戦争に協力することを美徳とする内容となった。終戦後,連合国最高司令官総司令部(GHQ)によって廃止された。