質量をもつ物体が運動することで生じる,時空(時間と空間)をゆがめるさざ波。光速で伝わり,小さな物体が動く際にも生じるが,観測できるほどの規模のものは超新星の爆発やブラックホールどうしの衝突などの大きな運動に限られる。1916(大正5)年に物理学者のアルベルト=アインシュタインが発表した『一般相対性理論』の中で存在を予言した。その後,1970年代に間接的に証明され,2016(平成28)年2月にはアメリカ合衆国を中心とした国際研究チームが直接観測することに成功した。この成功によって,光や電波を手がかりにしていた天文学の観測手段が増え,将来は誕生直後の宇宙の観測もできると期待されている。