中国の孔子に始まる教えで,個人の道徳と社会の理想を説く。
〔中国の儒教の発達〕
孔子の理想は,
孟子などが
発展させてひろがり,
漢代には国教とされてさかんになった。このころから,
儒教の
古典の読み方や意味の研究が行われ,
唐代には,
古典の
解釈が
統一された。
宋代になると,
朱熹が
仏教哲学に
対抗する
哲学としての
体系をまとめ(
朱子学),
明代には
王陽明が
実践を強調する
説をたてるなど(
陽明学),時代とともに
発展していった。
〔日本の儒教〕
儒教は,日本には5
世紀のころつたえられたといわれ,
政治や社会に
影響をあたえてきたが,
最もさかんになったのは
江戸時代である。
徳川家康に仕えた
藤原惺窩や
林羅山は
朱子学者であったため,
朱子学が
幕府や
諸藩でさかんになり,
封建制度をささえる
道徳として
発達した。やがて
朱子学を
批判する立場の
陽明学派(
中江藤樹や,
熊沢蕃山などが有名)や,
伊藤仁斎らの
古学派もおこり,多くの学者が
活躍した。