もとの図形を縮小してかいた図を縮図という。縮図をつくるには,対応する長さの比が一定になるように縮小するから,もとの図形と縮図は相似形で,その相似比が縮尺である。どんな縮尺をえらぶかは,その目的によってきめるが,数値が読みとりやすい縮尺をえらぶとよい。
〔平面上の縮図〕
直接はかることが
困難な2地点間の
距離を,
縮図をかいてもとめることができる。山の
両端の2地点A,B間の
距離をもとめるには,
両端までの
距離がはかれる地点Pをとり,PAとPBの
距離・PAとPBのなす角を
測定する。
測定値が PA = 60m, PB = 73.5m, ∠P = 75°のとき,
縮尺をにして,P′A′= 6cm, P′B′= 7.35cm, ∠P′= 75°の
縮図をかく。この
縮図上でA′B′の長さを8.2cmとはかりとり,もとの長さにもどすと,AB = 8.2×1000 = 8200(cm) → 82mを
得る。
〔空間での縮図〕
木の高さを知るために,
縮図を
利用する。たとえば,8mはなれて木をながめたとき,
仰角(見上げる角)が35°であれば,
縮尺をにして,
底辺8cm,角が35°の直角三角形の
縮図をかいて,高さをはかる。このとき,図の高さが5.6cmなら,
実際の長さは,5.6×100 = 560(cm)これに,目の高さ1.6mをくわえたものが,木の高さになる。木の高さ = 5.6+1.6 = 7.2(m)