植物の分類上の門の1つ。最も高等な一群とされ,花をつけ,種子をつくる植物の総称で,顕花植物ともいう。完全な根・茎・葉の3部分の区別があきらかで,水や養分の通路としての維管束がよく発達し,最も水からはなれて生活できるように進化している。葉緑体をもち,光合成を行って,水と二酸化炭素からでんぷんなどの養分を合成する。裸子植物亜門と被子植物亜門に大別される。
〔種子植物の体〕
根はよく
発達し,体を
固定するとともに,地中の水やそれにとけている
無機養分を
吸収する
働きが強いので,
乾燥しやすい
陸上での生活にも
適している。
茎は
維管束がよく
発達し,高さ100mにおよぶような大木でも,そのこずえまで水を送ることができる。葉には,葉緑体があって
光合成を行い,表皮が
発達して,水分がにげるのをふせいでいる。また,おもに葉の
裏面に
気孔があり,体内の水分
量の
調節をするとともに,
光合成や
呼吸のための
二酸化炭素や
酸素の出入り口となっている。
〔裸子植物と被子植物〕
裸子植物の花には,がくや
花弁はなく,
子房もなくて,
胚珠が
露出しているので,
種子はできるが,真の
果実はできない。
被子植物の花には
子房があり,ふつうは,おしべやめしべをとりまく
花弁やがくがある。
子房やそれをふくむその他のものが
発達した
果実をつけ,その中に
種子ができる。
〔種子植物の受粉と受精〕
おしべのやくでつくられた
花粉が,めしべの先につくことを
受粉という。
受粉すると,
花粉が
発芽して
花粉管がめしべの中にのびていき,
花粉の
核が
分裂してできた
精核が
卵に
達して
受精する。
裸子植物には,イチョウやソテツのように,
精核が
精子となって自分で泳いで
卵に
達するものもある。これは,シダ植物と
裸子植物の
中間的なものということもできる。
コーチ
裸子植物の花がほとんど
風媒花であるのに対し,
被子植物の花はほかに
虫媒花・
鳥媒花・
水媒花などと,
変化にとんでいる。