8〜16世紀の土地制度で,貴族・社寺(ヨーロッパでは諸侯・騎士・教会)の私有地である荘園を基盤として土地・人民を支配するしくみ。日本の場合,荘園の領主を本家・領家といい,荘官に荘園を管理させ,年貢を徴収させた。荘園には租税をおさめない不輸の権と役人(検田使)を入らせない不入の権(不輸・不入の権)があった。このため,不輸権をみとめられる者がふえてくると租税が減り,国家財政に大きな影響をあたえた。藤原氏の摂関政治が行われた平安時代に荘園は広がったが,鎌倉時代に入ると地頭の荘園侵略が始まった。室町時代に守護大名・戦国大名の領国支配が強まると,荘園制度はくずれはじめ,豊臣秀吉の太閤検地によって,完全に廃止された。