しょうせつしんずい【小説神髄】 坪内逍遙(つぼうちしょうよう)が書いた文学論(ろん)。1885(明治(めいじ)18)〜1886年に発表。自由民権(みんけん)運動の思想宣伝(せんでん)のために書かれた政治小説(せいじしょうせつ)や,善(ぜん)をすすめ悪をこらす道徳(どうとく)のための勧善懲悪小説(かんぜんちょうあくしょうせつ)などを否定(ひてい),小説(しょうせつ)は,人間をありのままにうつすものだと新しい小説(しょうせつ)の方向を説(と)き,古いものから脱皮(だっぴ)できないでいた明治(めいじ)時代初期(しょき)の文学界に,近代文学への道を開いた。◇近代小説(しょうせつ)のあり方を論(ろん)じた書物としては日本で最初(さいしょ)のもの。