1929年のアメリカ・ニューヨーク株式市場の株暴落をきっかけとした世界恐慌の影響で、日本が1930~1931年に最も悪い状況を迎えた経済不況のこと。世界中で貿易が縮小して、日本の輸出入も大きく減少。国内のたくさんの中小企業が倒産したり、大企業も人員削減したりするなど都市部で失業者が大きく増えた。そのため解雇や賃金引下げに反対する労働争議が起こった。
農村部も、当時のアメリカへ大量に輸出していた生糸や、豊作だったお米の価格が下がり収入が大きく減った。農地を所有する地主が借金や小作料を払えない農家から農地を取り上げることに反対する小作争議も多発した。さらに1931年、1934年は一転、農作物が凶作で、東北地方を中心に、学校で食べる弁当を用意できない「欠食児童」や、女児を労働力として売り渡す「身売り」が社会問題化した。
コーチ
昭和恐慌は、経済不況による政治への不満を背景に、軍部が影響力を強め、日本が軍国主義への道を歩む要因のひとつにもなった。
(参考書籍)
読む日本の歴史8/ビジュアル図鑑日本の歴史/調べる学習日本の歴史/ポプラディア学習館日本の歴史4/歴史の流れがわかる時代別新・日本の歴史11対象・昭和時代(前期)