しんか【進化】

生物の種(しゅ)が,代を重ねるごとに環境(かんきょう)により適(てき)したものへ変化(へんか)していく現象(げんしょう)。ふつうこの変化(へんか)には方向性(せい)がある。一般(いっぱん)に生物は単純(たんじゅん)なものから複雑(ふくざつ)なものへとかわっていくが,その逆(ぎゃく)の場合(退行的(たいこうてき)進化)もある。進化を直接証明(ちょくせつしょうめい)するものは化石であるが,ほかに分類(ぶんるい)学・比較解剖(ひかくかいぼう)学・比較(ひかく)発生学・分布(ぶんぷ)・血清(けっせい)・分子生物学などの分野からも追求(ついきゅう)される。

〔水中から陸(りく)に上がった植物〕

動物も植物も,最初(さいしょ)の生物は海水中にあらわれた単細胞(たんさいぼう)生物であった。植物はこの祖先(そせん)から水中でくらす藻類(そうるい)へと進化し,これから生じたコケ植物やシダ植物は,陸上(りくじょう)で生活ができるようになった。裸子(らし)植物はシダ植物のあるものから生じ,さらに進化して被子(ひし)植物があらわれた。シダ植物は維管束(いかんそく)があり,かなりかわいたところでも生活できるが,前葉体は乾燥(かんそう)には弱く,受精(じゅせい)のとき精子(せいし)は水中を泳ぐので,種子(しゅし)植物のようには,水からはなれての生活ができない。コケ植物はシダ植物よりもっと水を必要(ひつよう)とする。

〔水中から陸(りく)に上がった脊椎(せきつい)動物〕

最初(さいしょ)にあらわれた脊椎(せきつい)動物は,海水中にすむ原始的(げんしてき)な魚類(るい)で,やがて,陸上(りくじょう)でも生活できる両生類(りょうせいるい)があらわれ,さらには虫類(るい),鳥類(ちょうるい)や哺乳類(ほにゅうるい)へと陸上(りくじょう)生活に適(てき)したものに進化してきた。両生類(りょうせいるい)は水中に卵(たまご)をうむが,は虫類(るい)は陸上(りくじょう)に卵(たまご)をうむようになった。さらに鳥類(ちょうるい)は,は虫類(るい)よりもかたい皮をもった卵(たまご)をうむ。哺乳類(ほにゅうるい)は卵(たまご)でなく子をうみ,乳(ちち)で子を育てる。

〔脊椎(せきつい)動物の発生に見られる進化の証拠(しょうこ)〕

発生の初期(しょき)の胚(はい)には,えらやそれにあたるものが見られる。このことから,脊椎(せきつい)動物は,水中にすむ共通(きょうつう)の祖先(そせん)から進化してきたと考えられる。

〔化石に見られる進化の証拠(しょうこ)〕

化石のなかには,もっと明確(めいかく)に進化の道筋(みちすじ)を示(しめ)してくれるものがある。たとえば,ウマの祖先(そせん)の化石はいろいろな時代のものが知られ,最(もっと)も古いものは体が小さく,前足に4本,後ろ足に3本の指があった。これが現在(げんざい)のウマに進化する間に体がしだいに大きくなり,指の数がへってきたことがわかる。

〔相同器官(きかん)からわかること〕

鳥やコウモリの翼(つばさ),クジラの胸(むね)びれ,ウシの前足などは,ヒトの腕(うで)や手に相当する相同器官(きかん)である。相同器官(きかん)をもつ動物は同じ祖先(そせん)から進化してきたものと考えられる。

コーチ

鳥の翼(つばさ)と昆虫(こんちゅう)の羽のように本来は別(べつ)の器官(きかん)が,似(に)た働(はたら)きや形態(けいたい)となったものを相似器官(そうじきかん)という。これは似(に)た環境(かんきょう)と似(に)た生活に適応(てきおう)した結果(けっか)で,やはり進化の証拠(しょうこ)になる。

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