しんけいけい【神経系】

神経組織(しんけいそしき）によって構成(こうせい）される器官系(きかんけい）。感覚器(かんかくき）などの末(まっ）しょうから中枢(ちゅうすう）への情報伝達(じょうほうでんたつ）と，中枢(ちゅうすう）から末(まっ）しょうへの命令伝達(めいれいでんたつ）をうけもつ。原生動物と海綿(かいめん）動物以外(いがい）のすべての動物がもっている。ヒドラなどの刺胞(しほう）動物（腔腸(こうちょう）動物）の神経細胞(しんけいさいぼう）は，体の全面にちらばり，それぞれからつきだした突起(とっき）によって網(あみ）の目状(じょう）につながっている。これを散在神経系(さんざいしんけいけい）という。そのほかの動物の神経系(しんけいけい）は，集中神経系(しんけいけい）とよばれ，動物の体制(たいせい）の進化につれて，しだいに複雑(ふくざつ）な構造(こうぞう）となっている。無脊椎(むせきつい）動物の集中神経系(しんけいけい）では，神経細胞(しんけいさいぼう）が集まった神経節(しんけいせつ）が中枢(ちゅうすう）となっている。脊椎(せきつい）動物の集中神経系(しんけいけい）は，発生上の神経管(しんけいかん）に由来するので，管状神経系(かんじょうしんけいけい）とよばれ，脳(のう）と脊髄(せきずい）が中枢(ちゅうすう）となっている。