しんげんづつみ【信玄堤】 山梨県(やまなしけん)の甲府盆地(こうふぼんち)西部(せいぶ)にある,武田信玄(たけだしんげん)がつくらせたとされる堤防(ていぼう)。かつて,甲府盆地(こうふぼんち)の釜無川(かまなしがわ)と御勅使川(みだいがわ)が合流(ごうりゅう)する地域(ちいき)は洪水(こうずい)が多(おお)く,その下流(かりゅう)の家屋(かおく)や田畑(たはた)は大(おお)きな被害(ひがい)を受(う)けていた。これを防(ふせ)ぐために,武田信玄(たけだしんげん)の命令(めいれい)で1542年に堤防(ていぼう)の建築(けんちく)が始(はじ)まり,約(やく)20年の歳月(さいげつ)をかけて完成(かんせい)した。流(なが)れを変(か)えたり,水量(すいりょう)を調節(ちょうせつ)したりすることによって,水(みず)の勢(いきお)いを弱(よわ)める工夫(くふう)がみられるのが特徴(とくちょう)で,完成(かんせい)によって甲府盆地(こうふぼんち)では水害(すいがい)が減少(げんしょう)した。現在(げんざい)も甲斐市(かいし)竜王付近(りゅうおうふきん)に一部(いちぶ)が残(のこ)っている。