気体の状態にある水。水は表面から蒸発して水蒸気になり,高温ではついに内部からも水蒸気になって沸騰する。水が水蒸気になると,水の体積の約1700倍になる。大気中には水蒸気がふくまれており,その多少は湿度や水蒸気量で表す。
〔水蒸気の蒸発〕
液体の
体積よりも大きい
容器内では,上部の空間との間に一定の表面をもっている。
液体をつくっている
粒子も,気体をつくっている
粒子のようにたえず運動しているから,いくらかの
粒子は
液面から上部の空間にたえずにげていく。この
現象が
蒸発(気化)である。
〔大気中の水蒸気〕
海水・地表・植物体などから,水は大気中に
蒸発している。大気中にふくみうる
水蒸気量には
限度があり,
最大限の
水蒸気量を
飽和水蒸気量といい,その
量は温度によってかわる。
現在の温度で大気中にふくむことのできる
飽和水蒸気量と,
現在大気中にふくまれている
水蒸気量との
割合を相対
湿度(または
湿度)という。
飽和水蒸気量の
値は温度が高いときほど大きくなるから,
水蒸気量が同じでも,温度が高いときには相対
湿度が
低くなり,温度が
低いときには相対
湿度は高くなる。たとえば,1m
3の空気中に10gの
水蒸気がふくまれている場合,気温が16℃ならば相対
湿度は73%であるが,気温が20℃ならば58%,気温が27℃ならば相対
湿度は39%となる。