物質が水にとけて液体になっているもの。溶媒として水を使った溶液のこと。水はすぐれた溶媒で,気体・液体・固体のいろいろな物質をとかす働きがある。
〔とけたもののゆくえ〕
物質がとけて
水溶液になるときは,
溶質はひじょうに小さい
粒子(分子・原子・イオン)になって,
溶媒の中に一様にまじってしまう。このため,
溶質の
粒は見えなくなってしまうが,
溶質そのものがなくなるわけではない。
食塩水の場合,とかす前の
食塩と水の合計の
質量をはかっておいて,とかした後の
食塩水の
質量とくらべてみると,同じ
質量である。このことからも,
食塩が水の中にあると考えることができる。
〔水溶液の濃さと質量〕
水溶液の
質量は,水の
質量とその中にとけているものの
質量との和になる。そして,
水溶液の
濃さは,きまった
体積の
水溶液の中に,どれだけのものがとけているかによってきまるので,
水溶液の
濃さをくらべるには,それぞれの
質量をくらべればよい。
〔とける量の限度〕
ものが一定
量の水にとける
量の
限度を
溶解度という。
食塩や
砂糖は,
溶解度が大きく,水にたいへんよくとける。ホウ
酸やミョウバンは,それよりも
溶解度が小さいが,水にかなりとける。
水酸化カルシウムは,
溶解度がもっと小さく,水にわずかしかとけない。
溶解度は温度とも
関係があり,
食塩は温度があがっても,
溶解度はあまりかわらず,ミョウバンは温度があがると,急に
溶解度が大きくなる。ホウ
酸はわりあいゆるやかに
溶解度が大きくなる。
コーチ
一般に,水の温度をあげると,
固体の
溶解度は大きくなり,反対に気体の
溶解度は小さくなる。
〔ミョウバンの再結晶〕
ミョウバンの
水溶液の温度が下がると,それまでとけていたミョウバンが,とけきれなくなり
粒になってでてくるのが見られる。そして,温度を
低くするほど,でてくる
粒の
量は多くなる。このようにしてでてきた
粒を「
結晶」といい,
濃い
水溶液をひやして
結晶を取りだすことを「
再結晶」という。でてきたミョウバンの
結晶は,ガーゼやろ紙を使ってこし分けることができる。
〔食塩水の蒸留〕
食塩水を
熱すると,水が
蒸発して,あとに
食塩の
粒がのこる。ふつう,
固体のものが水にとけた
水溶液を
熱すると,水だけは
水蒸気となって
蒸発するが,水にとけていたものは,
蒸発せずにあとにのこる。この
水蒸気をひやすと,ふたたび水になる。この水は,なにもとかしこんでいない
純粋な水で,「
蒸留水」という。また,このような
方法を「
蒸留」といい,
蒸留することによって,
水溶液からとけているものを分けて取りだすことができる。
食塩水では,温度を下げても,
再結晶しにくいので,
食塩水の水を
蒸発させて,
結晶を取りだす。
食塩水の水が少なくなると,とけきれなくなった
食塩が
結晶としてでてくる。
コーチ
とけ方のちがいを
利用すれば,
混合液から
別々の
物質を取りだすことができる。