緊急時迅速放射能影響予測ネットワークシステム。System for Prediction of Environmental Emergency Dose Information。原子力発電所の事故などによって放射性物質の大量放出やその危険性があるときに,周辺地域の大気中の放射性物質の濃度,被曝線量などの環境への影響を予測計算し,情報を提供するシステムのこと。関係省庁からの放出源情報,日本気象協会からの気象・地形データ,各都道府県からの気象・放射線量データを,文部科学省所管の原子力安全技術センターにある中央コンピュータに集約し,予測計算を行い,文部科学省・経済産業省,オフサイトセンター(緊急事態応急対策拠点施設)などに迅速に情報提供をするというものである。◇放射性物質の放出源情報,モニタリングポストの放射線量などの正確なデータが入力されないと予測計算ができないため,東日本大震災による福島第一原子力発電所事故ではうまく機能せず,情報もほとんど公開されなかったため,システムの有効性に疑問の声があがっている。→被曝