ヨーロッパ州の西部にある,イベリア半島の大部分をしめる国。政治体制は議会君主制で,元首は国王。首都:マドリード,面積:50.6万km2(2015年),人口:4635万(2017年),言語:スペイン語(公用語),カタルーニャ語,ガリシア語など,宗教:キリスト教(カトリック)など,民族:スペイン人,カタルーニャ人,バスク人など。
〔自然のようす〕
国土の3
分の2は,メセタとよばれる
高原。
北部のフランスとの
国境にピレネー
山脈が
連なり,
南部にモレーナ
山脈やネバダ
山脈が
連なる。
北西部の
海岸にはリアス
海岸が
連なる。
国土の
大部分は,
夏に
乾燥する
地中海性気候に
属するが,
北部は
西岸海洋性気候に
属する。
〔あゆみ〕
ローマ
帝国の
支配ののち,
西ゴート
王国が
成立。8
世紀にイスラム
勢力が
侵入し,ウマイヤ
朝のもとでイスラム
文化がさかえた。キリスト
教徒によるレコンキスタ(
国土回復運動)を
経て1479年にスペイン
王国を
建国,1492年にイスラム
勢力を
追放し,スペインの
支配を
確立した。その
後,
南北アメリカ
大陸に
進出して
植民地を
広げ,
世界的大帝国を
建設した。1588年に
無敵艦隊がイギリス
海軍にやぶれてから
国力は
急速におとろえ,19
世紀にはあいつぐ
植民地の
独立で
国土が
縮小。その
後も
内政が
安定せず,1939(
昭和14)年からフランコ
独裁政権が36年あまりもつづいた。1975年のフランコの
死後,
王政が
復活した。1986年にヨーロッパ
共同体(
EC,
現在の
EUの
前身)に
加盟した。
〔産業のようす〕
南部沿岸で
地中海式農業によるオリーブ・オレンジ・ブドウなどの
栽培がさかん。
果実やその
加工品は
重要輸出品。メセタでは
牧羊や
小麦の
栽培がさかん。また,1960年
代の
高度成長によって
工業化がすすみ,
自動車・
食品加工・
化学などの
工業が
発達している。
観光も
重要な
産業。
〔文化のようす〕
地方意識が
強く,
独自の
言語と
文化をもつカタルーニャ
州やバスク
州では,
独立を
求める
声が
根強くある。
〔日本との貿易〕
スペインから日本への
輸出:
医薬品・
有機化合物・
豚肉など。
スペインの日本からの
輸入:
乗用車,
一般機械,
電気機器など。(2015年)
〔国名の由来〕
フェニキア
語で「ウサギの
多い
土地」の
意味をもつShaphanが
語源。
〔国旗の由来〕
イスラム
勢力の
脅威にさらされてきた
歴史を
象徴して,
国土(
黄)を
民族の
血(
赤)でまもる
決意を
表す。