ずりょう【受領】 律令制(りつりょうせい)の地方官(かん)である国司(こくし)の別称(べっしょう)。中・下流貴族(きぞく)が多く任命(にんめい)され,地方に下って勢力(せいりょく)を得(え),私財(しざい)の蓄積(ちくせき)をはかった。そのどん欲(よく)ぶりは「受領(ずりょう)ハ倒(たお)ルル所ニ土ヲツカメ」といわれた藤原陳忠(ふじわらののぶただ),あまりにきびしい取りたてを朝廷(ちょうてい)にうったえられた尾張(おわり)国(愛知(あいち)県)の藤原元命(ふじわらのもとなが)に代表される。コーチ 国司(こくし)に任命(にんめい)されて,その国におもむいた者を受領(ずりょう)というのに対して,代理人をつかわして自分は都にいた国司(こくし)を「遙任(ようにん)の国司(こくし)」という。