*ぜあみ【世阿弥】 (1363〜1443)室町(むろまち)時代の能楽(のうがく)師(し)・謡曲(ようきょく)作者。観世(かんぜ)流の創始(そうし)者観阿弥(かんあみ)の子。父とともに足利義満(あしかがよしみつ)の保護(ほご)を受け,能(のう)の大成(たいせい)につくした。22歳(さい)で父と死別(しべつ)して観世座(かんぜざ)のあとをつぐが,それまでの能(のう)に歌舞(かぶ)の要素(ようそ)をくわえて幽玄(ゆうげん)美をめざす能(のう)を完成(かんせい)させた。作品は『高砂(たかさご)』『敦盛(あつもり)』『羽衣(はごろも)』『砧(きぬた)』『葵(あおい)の上(うえ)』など多数。能楽論(のうがくろん)も多いが,なかでも『風姿花伝(ふうしかでん)(花伝書(かでんしょ))』は名高い。◇老後(ろうご)はめぐまれず,73歳(さい)で佐渡島(さどがしま)に流され,数年間の配流(はいる)の生活を送った。