沸石。結晶の構造内にすきまをもつアルミノケイ酸塩の総称で,天然に産し,人工的にも合成される鉱物。工業的に利用されるときにはゼオライトとよばれることが多い。二酸化ケイ素の結晶骨格をもち,一部のケイ素がアルミニウムと置きかわることで結晶骨格が全体に負に帯電しているため,すきまにナトリウムなどをとりこんで電荷のバランスをとっている状態にある。したがって,粉末にして水溶液に入れると,イオン交換・吸着の反応が起こり,水溶液中のカリウム,セシウムなどを結晶のすきまにとりこむはたらきをする。この性質を利用して水質改良材・吸着剤・触媒などに用いられている。◇福島第一原子力発電所の事故以来,放射能汚染水の浄化設備や放射性物質除去に用いられていることで注目をあびているが,ゼオライトは放射性セシウムを吸着するだけで,放射性物質を吸着するわけではないので誤解しないこと。→セシウム