動植物油脂をおもな原料としてつくる洗剤。第二次世界大戦前は魚油からつくられたが,現在は牛脂とヤシ油がおもで,その大部分を輸入に依存している。洗濯・洗顔用に大別される。
〔製法〕
油脂に
水酸化ナトリウム
水溶液をくわえ
加熱すると,
油脂は,グリセリンと
脂肪酸のナトリウム
塩(せっけん水)になる。これに
食塩をくわえると,せっけんはかたまって
上層にうかぶ。これをすくいとって
型にはめて
乾燥させると,
固形せっけんができる。
〔洗浄作用〕
せっけんは
布や
皮膚のよごれを落としたり(
吸着作用),
油脂と水をまじり合わせたり(
乳化作用)する作用をもっている。これらを
洗浄作用という。せっけんの分子
構造は,水にまじりあわない
疎水性基と,水とよくまじりあう親水
性基とからできている。このため,
液の表面
張力はいちじるしく
減少し,せっけん
液は,
繊維のすみからすみまでしみこみ,また,
水溶液がアルカリ
性のため,油やあかは
繊維からはなれて
液中にでてくる。